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第5章 壊された日常 2/8

ผู้เขียน: 栗須帳(くりす・とばり)
last update ปรับปรุงล่าสุด: 2025-05-15 11:00:07

 紅音〈あかね〉とのキスは、柚希〈ゆずき〉の心を大きく乱した。

 あの日、家に帰ってからも体中が熱く、胸の高鳴りが一晩中収まらなかった。

 何度も指で唇に触れ、あの時の感触を思い返す。

 そしてそんなことをしている自分が恥ずかしくなり、布団の中で身悶えた。

 翌日。

 放課後がこんなに待ち遠しいと思ったのは初めてだった。

 授業にも集中出来ず、休み時間にクラスメイトが話しかけてきても、どうにも上の空になってしまった。

 放課後。柚希は一目散に川に向かった。

 一分でも、一秒でも早く紅音さんに会いたい。その思いが走る速度を上げていった。

 おかげで途中、むせかえる様に咳き込んでしまった。

 心臓の鼓動が限界ぎりぎりになっている。

 それが疾患のせいなのか、紅音を想って高鳴っているのか。最早柚希にも分からなくなっていた。

 * * *

 川に近付いた時、コウの鳴き声が聞こえた。

「え……」

 柚希の目に、いつもの木の下で、日傘を差して立っている紅音の姿が映った。

 慌てて腕時計を見る。いつもより20分も早かった。

「あ……」

 柚希に気がついた紅音が、そう声を漏らす。

 そして少しうつむき加減で、小さく柚希に向かって頭を下げた。

 その仕草に。

 柚希の目は釘付けになった。

 ゆっくりと歩みを確かめるように土手を降りながら、今更ながらに柚希は、第一声をどうかけたらいいのか迷っていた。

 いつものように「こんにちは」から始めればいいのか。

 しかしそれは、昨日のことがあった後にしてはあっさりし過ぎている。

 女性の扱いに慣れている様に思われても嫌だ。

「昨日はどうも」

 何がどうもなんだ? 意味が分からない。

「昨夜はよく眠れましたか?」

 いやいや、それは大きなお世話だ。

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